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帯状疱疹ワクチンが2025年4月から公費で補助される定期接種になりました

[2025.03.30]

こんにちは。武蔵野ファミリークリニック副院長の金子厚です。
今後はブログにて皆様に有益な医療情報を発信していきたいと思います。

第1回は帯状疱疹ワクチンの定期接種化に関する情報をお届けします。

このページでは、帯状疱疹とはなんなのか、帯状疱疹ワクチンの効果について説明したうえで、2025年4月から始まる帯状疱疹ワクチンの定期接種の概要(対象者や自己負担額はどのくらいなのかなど)を詳しく解説していきます。

帯状疱疹とは

帯状疱疹とは、水疱瘡(みずぼうそう)のウイルスが原因で起こる皮膚の病気です。 子どもの頃に水疱瘡にかかったことのある方は、ウイルスが体の中に潜んでおり、加齢や体の免疫機能が低下したことなどが引き金となりウイルスが再活性化することで発症します。発症すると痛みを伴う発疹が出現し、治療を適切に行っても痛みが長期間続く後遺症に悩まされることがあります。


画像引用:帯状疱疹予防.jp

詳しくは「帯状疱疹のページ」をご覧ください。

帯状疱疹の発症予防、神経痛の予防には有効なワクチンがありましたが、これまでは50歳以上、もしくは一部の18歳以上の方への任意接種に適応が限定されていました。

帯状疱疹ワクチンの効果について

帯状疱疹ワクチンには生ワクチン(ビケン)」と「不活化ワクチン(シングリックス)」の2種類があります。
生ワクチンとは毒性を弱めた生きている病原体を使って、体に自然に免疫をつけるワクチンを言い、帯状疱疹生ワクチンの場合は約50%の発症予防効果があります。

一方、不活化ワクチンは、病原体を「死んだ状態」にして、その中の一部の成分だけを使って免疫をつけるためのワクチンを言い、帯状疱疹不活化ワクチンの場合は90%以上の高い予防効果が報告されています。

どちらのワクチンも帯状疱疹の発症を防ぐだけでなく、万が一発症した場合でも症状を軽くし、最も辛い後遺症である「帯状疱疹後神経痛」のリスクを大幅に減らすことができます。

不活化ワクチンは特に効果が高く、65歳以上の方でも約90%の予防効果が維持され、その効果は少なくとも9年以上続くとされています。接種は原則2回必要です。

それぞれのワクチンの比較は「帯状疱疹のページ」をご覧ください。

定期接種化の概要と対象者

2025年4月からの帯状疱疹ワクチン定期接種化によって以下の方が定期接種の対象となります。
前提としてすでに帯状疱疹ワクチン接種を完了している方は対象外となります。

つまり今後5年間は65歳から5年齢ごとの年齢となった全ての方が定期接種の対象となります。

※当院のある西東京市では2025年度は50歳以上65歳未満の方は任意接種として、定期接種と同様に帯状疱疹ワクチン接種の助成を受けることができます。

定期接種化のメリット

経済的メリット

これまで不活化ワクチンは2回で約4万円、生ワクチンでも約1万円の自己負担がありました。定期接種化により、それぞれの自治体から助成金が支給されることで自己負担額が大きく軽減されます。詳しくはお住まいの自治体広報誌やWebサイトでご確認ください。

西東京市の場合

※一回当たり
※西東京市では任意接種対象者(50歳以上65歳未満)の方も、今年度は同様の自己負担額で接種を受けることができます。

医療費削減と生活の質の維持

帯状疱疹の治療や後遺症対応には多額の医療費がかかります。ワクチン接種により発症リスクを減らせば、医療費削減だけでなく、強い痛みや日常生活への支障を防ぐことができます。特に高齢者の健康寿命延伸に貢献することが期待されます。

定期接種の受け方

対象者には自治体から接種券が郵送されます。接種券が届いたら、自治体の広報誌やWebサイトで、帯状疱疹の定期接種を行っている医療機関を確認しましょう。

医療機関によっては予約制ではなく、特定の曜日や時間帯にワクチン接種を受け付けている場合もあります。事前に確認することをお勧めします。

当院でも帯状疱疹のワクチンの接種が可能です。事前にお電話にてご予約ください。

接種の流れ

副反応としては、接種部位の痛みや赤み、全身のだるさなどが報告されていますが、多くは数日で回復します。心配な症状がある場合は、接種を受けた医療機関に相談しましょう。

帯状疱疹ワクチンの定期接種化は、痛みを伴う病気を予防し、健康寿命を延ばすための重要な一歩です。対象となる方は、この機会にぜひ接種を検討してみてください。

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