一次性頭痛
慢性的な頭痛(一次性頭痛)の例と続く場合の対処法
一次性頭痛の主なタイプには片頭痛、緊張型頭痛、三叉神経・自律神経性頭痛があります。
それぞれの主な特徴や原因、一般的な対処・治療法は以下の通りです。
片頭痛
特徴
片頭痛は片側(あるいは両側)の頭が脈打つように「ずきずき」するような頭痛を特徴とします。また嘔気を伴い、光や音を過敏に感じることがあります。患者さんによっては閃輝暗点という、眼の前がチカチカしたり、視野に歯車のようなギザギザが現れたりするような視覚性の前兆が現れることがあります。
原因
片頭痛の原因は複雑で、脳の血管の一時的な拡張と神経の過活動に加えて、遺伝的要因や環境要因、ホルモン変動なども影響を与えていると考えられています。
対処・治療法
発作時には、安静にして暗い部屋で休息をとり、ストレスや疲労を軽減することが重要です。また、適切な鎮痛剤やトリプタン製剤などを服用することで症状を和らげることができます。頭痛を予防するためには、規則正しい生活リズムを保ち、トリガーとなる要因を避けることが有効です。頭痛が頻回な場合は予防薬の内服や定期的な注射薬の投与といった治療法もあります。
※片頭痛の注射薬について日本で使用可能な片頭痛予防注射剤は「エムガルティ」「アイモビーグ」「アジョビ」と3種類あります。 |
緊張型頭痛
特徴
緊張型頭痛の場合は鈍い痛みが特徴で、片頭痛や群発頭痛のような強い痛みではなく、日常生活はなんとか行える程度の頭痛であることが特徴です。
原因
緊張型頭痛の原因はストレスや筋肉の緊張、姿勢の悪さ、目の疲れなど様々です。長時間のデスクワークや画面を見続けることで首や肩の筋肉が緊張し、頭痛を引き起こすことがあります。
対処・治療法
緊張型頭痛の場合、リラックス法やストレッチ、マッサージなどのリラクゼーション法が有効です。また、ストレス管理や適切な睡眠、規則正しい食生活も重要です。必要に応じて発作時に鎮痛剤を使用することや発作頻度の減少を目的に予防薬の内服を行うこともあります。
三叉神経・自律神経性頭痛(群発頭痛など)
特徴
眼の奥や眼の周りに激しい痛みが生じ、涙や鼻水などの自律神経症状が同時に起こることが特徴です。
原因
顔面や頭部の感覚を支配する三叉神経とその周囲の自律神経(副交感神経)の活動が活発になることが原因とされます。
対処・治療法
発作時にはトリプタン製剤やインドメタシンといった薬物療法や、酸素吸入などの治療を行います。発作が頻回な場合は、片頭痛、緊張型頭痛と同様に予防薬を用いることもあります。
頭痛にお悩みの場合は早めの受診を
普段生活で生じる頭痛のほとんどは一次性頭痛ですが、脳の病気による二次性頭痛は命を脅かす危険な頭痛の可能性があります。
突然出現した強い頭痛や普段と異なる頭痛を感じた場合は速めに医療機関を受診しましょう。
頭痛の種類や原因に応じて、適切な治療を受けることが重要です。また痛みが慢性化している場合には、薬物療法だけでなく、適切な運動(頭痛体操など)やカウンセリングなどの総合的なアプローチが有効な場合もあります。
脳神経内科や脳神経外科などの頭痛を専門とする診療科を受診し、適切な診断・治療を受けるようにしましょう。
本文監修:副院長 金子 厚